花粉症とアレルギー性鼻炎の違い
アレルギー性鼻炎は、鼻に入った花粉やダニなどに免疫が過剰に反応し、鼻の粘膜に炎症が起こる病気です。くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりが代表的な症状です。鼻づまりによる口呼吸や睡眠の質の低下が、日中の集中力や仕事・勉強にも影響することがあります。
花粉が原因で特定の季節に症状が出るものが花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)です。スギ・ヒノキだけでなく、イネ科や秋の草の花粉も原因になります。一方、ダニ・ハウスダストなどによって一年を通して症状が続くものを通年性アレルギー性鼻炎といいます。両方が重なり、普段からある鼻炎が春に悪化する方もいます。
こんな症状はありませんか
毎年同じ季節にくしゃみが続く、朝起きると鼻水が止まらない、布団の片づけや掃除で症状が強くなる、といった経過は原因を考える手がかりです。目のかゆみや涙を伴うこともあります。「鼻を何回かむか」だけでなく、眠れるか、口呼吸になるか、仕事や家事に支障があるかも診察でお伝えください。
かぜでも鼻水や鼻づまりは起こるため、鼻水の色だけで診断はできません。発熱、のどの痛み、顔の痛み、片側だけ続く鼻づまり、繰り返す鼻血などがあれば、感染症や副鼻腔炎、鼻の構造の問題なども考えます。症状が長引く場合や通常の治療で改善しない場合は、耳鼻咽喉科での評価が必要になることがあります。
咳が長引く、夜間や早朝に咳が出る、ゼーゼーする場合は鼻炎だけでなく気管支喘息などの合併にも注意します。当院では呼吸器症状も一緒にご相談いただけます。息苦しく会話が難しいなど強い症状は、通常の予約を待たず救急受診を検討してください。
症状の経過と検査を組み合わせて診断
診察では、症状が出る季節・場所、続いている期間、家族やご本人のアレルギー歴、使っている市販薬を確認します。毎年つらくなる時期や薬の効き方をメモしておくと、治療計画を立てる助けになります。過去にアレルギー検査を受けた方は、結果もお持ちください。
必要に応じて、原因が疑われる花粉やダニなどに対する特異的IgE抗体を採血で調べます。陽性はその物質に反応する抗体があることを示しますが、それだけで現在の鼻症状の原因とは決まりません。検査値の高さだけで症状の強さを判定せず、症状が出る状況と照らし合わせます。検査項目は診察で選び、結果が分かる時期をご案内します。
症状に合わせて、薬を選びます
治療の基本は、原因物質をできるだけ避けることと、症状・炎症を抑える薬を適切に使うことです。鼻水・くしゃみが中心か、鼻づまりが強いか、目の症状もあるかを確認し、生活への影響に合わせて治療を組み立てます。毎年症状が強い方は、本格的な花粉飛散の前や症状が軽いうちに相談し、開始時期を決めましょう。
抗ヒスタミン薬は、くしゃみ・鼻水などを抑えるために使います。薬によって眠気や運転に関する注意が異なり、眠気を自覚しなくても運転が禁止される薬があります。運転や機械操作の予定、妊娠・授乳、ほかの薬の服用について医師・薬剤師に伝えてください。
点鼻ステロイド薬は、鼻の粘膜の炎症を抑え、鼻づまりを含む症状の改善に用います。処方された回数と方法で続けることが大切です。噴霧の向きや使い方が分からない、刺激や鼻血がある場合は相談してください。鼻づまりの状態などに応じて、ほかの種類の薬を組み合わせることもあります。
市販の血管収縮作用がある点鼻薬は、使いすぎるとかえって鼻づまりが続く原因になることがあります。自己判断で回数を増やさず、商品名と使用頻度をお知らせください。目のかゆみには点眼薬を検討しますが、痛みや見えにくさを伴う場合は眼科へ。ステロイド点眼薬は眼科での管理が必要です。
舌下免疫療法という選択肢
一般的な治療の選択肢として、原因のアレルゲンに少しずつ体を慣らし、反応を弱めることを目指すアレルゲン免疫療法があります。国内ではスギ花粉・ダニによるアレルギー性鼻炎に舌下免疫療法が使われています。すべての花粉に対応する治療ではなく、原因の確認と適応の判断が必要です。
数年にわたる継続が必要で、症状や薬の使用量を減らせる可能性がありますが、効果には個人差があり、必ず治るとは限りません。口の中のかゆみなどの副作用や、まれに重いアレルギー反応が起こることがあります。スギ花粉の治療開始は飛散していない時期に検討します。喘息などの合併症や服薬状況も踏まえて判断します。
舌下免疫療法を希望される場合はご相談ください。適応や実施できる医療機関をご案内します。薬物療法でも鼻づまりが十分に改善しない場合などは、耳鼻咽喉科で手術を含む治療の検討が必要になることもあります。
暮らしの中でできる対策
花粉が多い日は飛散情報を確認し、外出時にマスクや眼鏡を使います。帰宅時は衣服の花粉を払い、洗顔などで付着した花粉を落としましょう。飛散が多い時間帯の窓開けや洗濯物の外干しを控えるなど、無理なく続けられる対策を選びます。
ダニが原因の場合は、寝具や室内の掃除、寝具の洗濯、適切な湿度管理などで接触を減らします。掃除のときの症状が強い場合はマスクを使うなど工夫しましょう。対策だけで十分に改善しないときは、薬を我慢するのではなく治療を見直します。
鼻洗浄を行う場合は、鼻洗浄用の製品を説明書どおりに使ってください。強く洗いすぎず、器具を清潔に保ち、耳の痛みや出血があれば中止して相談します。鼻炎が睡眠やCPAPの使用を妨げている方も、鼻の症状と併せてご相談ください。
よくある質問
毎年同じ薬をもらえばよいですか?
飛散量や症状、生活環境は年によって異なります。昨年の薬の効き方や眠気を振り返り、今年の方針を相談しましょう。
血液検査が陽性なら、その物質を必ず避けるべきですか?
検査だけでは症状の原因とは断定できません。実際に症状が出る場面と合わせて判断し、必要な対策を決めます。
鼻炎と咳を一緒に相談できますか?
ご相談いただけます。咳が長引く場合には喘息など別の病気も考え、症状に応じて必要な検査や専門診療につなぎます。
Your Visit
受診の流れ
- 01
症状を整理
季節・場所・睡眠への影響、市販薬の使用状況を確認します。
- 02
原因と必要な検査を相談
問診・診察を行い、必要に応じてアレルギーの採血などを検討します。
- 03
治療を選ぶ
鼻水・鼻づまりの程度と生活に合わせ、薬や環境対策を相談します。
- 04
効き方を見直す
効果・眠気・点鼻薬の使い方を確認し、必要に応じて専門医療機関と連携します。
このページの参考情報
内容確認:2026年10月。治療・検査は診察で個別に判断します。





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