肺の中で、炎症が起きています。
肺炎は、細菌やウイルスなどによって肺に炎症が起こる病気です。空気を取り込む肺胞に炎症による液体や細胞が増え、酸素を取り込みにくくなることがあります。かぜと似た始まり方でも、肺まで炎症が及ぶと、呼吸や全身への影響が大きくなります。
せき、痰、発熱、胸の痛み、息苦しさなどがみられます。ただし、高齢の方では「食べられない」「元気がない」「ぼんやりしている」といった変化が先に現れることもあります。体温の数字だけで軽い病気と判断しないことが大切です。
受診の目安は、息苦しさと生活への影響。
早めに相談
熱やせきが続く、よくなりかけて再び悪くなる、食事や水分が取りにくい、普段より息が速いときは早めに相談します。
持病がある方
肺・心臓・腎臓の病気、糖尿病、免疫を抑える治療中などでは、重症化のリスクも考えて判断します。普段と違う様子をお伝えください。
胸部の画像・採血・喀痰検査で評価します。
診察では、呼吸の速さ、酸素の状態、血圧、意識、食事・水分摂取、持病などを確認します。当院では胸部レントゲン、胸部CT、採血、喀痰検査などを、症状や重症度に応じて組み合わせます。
- 胸部レントゲン
- 肺炎を疑う影の有無や広がりを確認する基本的な画像検査です。初期や病変の位置によっては写りにくい場合もあります。
- 胸部CT
- レントゲンだけでは判断しにくい場合や、病変・合併症を詳しく確認したい場合に検討します。すべての方に必須ではありません。
- 採血
- 白血球やCRPなどの炎症反応に加え、腎機能など全身の状態を確認します。数値だけで原因菌や重症度がすべて分かるわけではありません。
- 喀痰検査
- 痰に含まれる細菌などを調べ、原因や抗菌薬の選択の手がかりにします。可能なら抗菌薬開始前に採取しますが、重症の場合などは治療を優先します。
外来で治療できるか、入院が必要かは、肺の影の大きさだけでは決まりません。酸素不足、脱水、持病、ご自宅での療養環境などを総合して判断します。当院での外来治療が難しい場合は、入院できる医療機関へ紹介します。
検査で原因が特定できない場合もあります。結果を待つ間も症状と全身状態を確認し、必要な治療を進めます。
原因によって、治療は変わります。
細菌による肺炎
肺炎球菌など、さまざまな細菌が原因になります。症状、持病、検査結果などに応じて抗菌薬を選びます。
ウイルスなどによる肺炎
インフルエンザなどのウイルスも原因になります。抗菌薬はウイルスそのものには効かず、抗ウイルス薬などの必要性を判断します。
誤嚥に関連する肺炎
唾液や食べ物などが気道に入り、口の中の細菌などが関わって発症することがあります。飲み込みや口の状態も確認します。
抗菌薬は、原因と重症度に合わせて選びます
肺炎の治療では、感染した場所や経過、持病、最近の抗菌薬の使用、飲み込みの状態などを確認します。抗菌薬の種類と期間は、疑われる病原体、重症度、検査結果、治療への反応によって変わります。ウイルスが原因の場合など、抗菌薬だけで対応する病気ではないこともあります。以前の残りの薬を自分で飲んだり、ご家族の薬を使ったりすることは避けましょう。
外来で治療を始めても、息苦しさが増す、水分が取れない、意識がぼんやりするなどの変化があれば、予定の受診日を待たずに連絡してください。高齢の方では、高熱より食欲や元気の低下が目立つ場合もあります。入院の必要性は体温だけでは判断しません。
治療を始めた後も、経過の確認が大切です。
処方された薬は、量と期間を守って使用します。余っている抗菌薬を自己判断で飲む、他の方の薬を使うことは避けてください。治療中に息苦しさが強くなる、水分が取れない、発熱が続く場合には、予定の再診日を待たず連絡しましょう。
熱が下がっても、せきや疲れやすさが残ることがあります。回復する速さには個人差があり、仕事や運動は体調を見ながら段階的に戻します。心臓や腎臓の病気で水分制限がある方は、飲水量を主治医と相談してください。
必要に応じて再診や画像検査で回復を確かめます。肺の影が消えない、同じ場所の肺炎を繰り返す場合は、感染以外の病気や気道の問題についても評価します。
回復期も、無理をせず経過を確認
熱が下がっても、咳や疲れがしばらく残ることがあります。体調に合わせて活動を戻し、食事や水分を取れているか確認しましょう。症状が長引く、繰り返す、画像の陰影が残る場合は、別の病気や背景の原因を調べる必要があります。すべての方に同じ間隔でCTを行うのではなく、経過に応じて再診と検査を決めます。誤嚥が関係する方では、飲み込みや口腔ケア、食べる姿勢も予防につながります。
高齢の方は、食事と口のケアにも目を向けます。
食事中にむせる、食後に声が濁る、飲み込みに時間がかかる場合はお知らせください。むせが目立たない誤嚥もあります。必要に応じて飲み込みの評価や専門職への相談を検討します。
歯や入れ歯を含めた口の清潔、栄養状態、食事の姿勢を整えることは予防の一部です。食事の形やとろみの調整は、飲み込みの状態に合わせて行います。「むせるから水分を控える」と自己判断すると脱水につながることがあります。
予防接種と、普段の健康管理を。
禁煙、手洗い、口のケア、十分な栄養、持病の管理などで感染や重症化のリスクに備えます。インフルエンザ・新型コロナ・肺炎球菌などのワクチンは、年齢や接種歴、体調に応じて相談してください。対象や費用はワクチンの案内ページにまとめています。
予防接種の案内を見る →よくある質問
熱がなくても肺炎のことはありますか?
あります。特に高齢の方は高熱が出ないことがあります。食欲や意識、呼吸の変化を含めて判断します。
必ず抗菌薬が必要ですか?
原因によります。細菌性肺炎では抗菌薬が必要ですが、ウイルスのみが原因の場合などは治療が異なります。混合感染も含め医師が判断します。
ワクチンを打てば、肺炎にはなりませんか?
すべての肺炎を防ぐものではありません。対象の病原体による感染や重症化への備えとして、日常の予防と組み合わせます。
Step by Step
診察・検査の流れ
- 01
呼吸・全身を確認
酸素の状態、体温、食事・水分、持病を確認します。
- 02
画像と必要な検査
胸部レントゲン・胸部CT・採血・喀痰検査などを、必要に応じて組み合わせます。
- 03
治療の場所を判断
外来治療か、入院できる施設への紹介かを判断します。
- 04
回復を確認
薬の効果と体調、必要に応じて画像の経過をみます。





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