Lung Nodule

肺結節影・胸部レントゲン異常

健診の「影」を、次の一歩へ。

「肺に影がある」と言われても、それだけで病名は決まりません。当院では胸部CTを用い、放射線専門医による画像評価と呼吸器専門医の診察を組み合わせて診断を進めます。経過観察が適する場合は当院で継続し、精密検査が必要な場合は高度な診療を行う呼吸器センターなどへ紹介します。

呼吸器内科の受診案内

結節影は、画像の見え方を表す言葉です。

結節影は、肺に見える小さな丸い影などを指す画像の言葉です。一般に肺結節は直径3cm以下の病変を指しますが、健診の「胸部異常陰影」には、結節以外の炎症や線状の影なども含まれます。結果の用紙に書かれた名前だけで、原因や重症度は判断できません。

胸部レントゲンは胸の構造が重なって写るため、血管・肋骨などの重なりが影に見える場合もあります。一方、症状がない段階の病気が見つかる場合もあります。症状がないことを理由に放置せず、指示された精密検査を受けましょう。

胸部レントゲンの肺に小さな丸い影が見える様子を示した模式図
丸で囲んだ部分が「結節影」のイメージです。実際の患者さんの画像ではありません。影の見え方だけで良性・悪性は決まらず、CTや過去の画像を合わせて評価します。

当院では、画像と診察の両方から評価します。

おがわクリニックのCT室
院内のCT検査装置。病変の場所や性状を詳しく確認します。

胸部CTで詳しく確認

影が本当に肺にあるか、大きさ、数、形、内部の濃さ、石灰化や周囲の変化を確認します。当院では造影剤を使用しない単純CTを行います。造影CT、PET、気管支鏡や組織検査などが必要な場合は、専門医療機関と連携します。

放射線専門医・呼吸器専門医の評価

放射線専門医の画像評価と、呼吸器専門医が伺う症状、喫煙歴、持病などを合わせます。画像だけで確定できない場合には、追加検査や経過を含めて診断を進めます。

過去の画像と比べる

新しく出たのか、以前から変わらないのか、大きさや濃さが変化したのかが重要です。画像データや読影結果、健診結果をお持ちいただくと比較に役立ちます。

どのような病気・変化と区別するのか。

鑑別とは、似た影を作る複数の原因を比べて絞り込むことです。以下は代表例で、見た目の一つの特徴だけで病名を決めるものではありません。

炎症が治った跡・肉芽腫

過去の感染後の瘢痕や肉芽腫が結節として残ることがあります。石灰化や長期間の変化の乏しさなどが手がかりになりますが、過去の画像と合わせて判断します。

感染症に伴う結節

結核、肺NTM症、真菌感染などが結節を作ることがあります。小さな結節が複数ある、気管支の変化を伴うなどの所見を踏まえ、必要に応じて痰の検査や血液検査などを組み合わせます。

良性腫瘍・肺内リンパ節

過誤腫などの良性腫瘍や、肺内のリンパ節が影として見つかることがあります。脂肪や石灰化、形や位置が参考になります。典型的な所見でない場合は、経過を追って確認します。

原発性肺がん

肺から発生するがんです。充実した結節だけでなく、淡い「すりガラス影」として見えるものもあります。辺縁の不整、増大、内部の濃い部分の変化などを参考に、精密検査の必要性を判断します。

他の臓器のがんからの転移

がんの治療歴がある方では転移も鑑別します。結節の数だけで決まるものではなく、元の病気の経過やほかの臓器の状態を含め、治療中の医療機関と連携します。

感染以外の炎症や、構造の重なり

器質化肺炎などの炎症性病変が結節に似ることがあります。また、レントゲン上の影がCTでは正常な構造の重なりと分かる場合もあります。

肺NTM症について詳しく読む →

「すりガラス影」と「充実性結節」の違い

すりガラス影は、内部に血管などの構造が透けて見える淡い影です。充実性結節は、それより濃く内部の構造が見えにくい影です。一つの結節の中に両方が混ざることもあります。

淡い影は一時的な炎症でも生じますが、残り続ける場合は慎重な評価が必要です。「薄いから問題ない」「小さいからがんではない」とは言い切れません。結節全体の大きさに加えて、内部の充実部分や時間とともにどう変わるかを確認します。

経過観察と精密検査は、どう選びますか。

当院で経過観察する場合

直ちに組織検査を行う必要性が低い場合などは、次のCTの時期を決めて変化を確認します。結節の大きさ・性状・数、年齢、喫煙歴、既往歴を合わせ、必要な間隔と観察期間を個別に決めます。

呼吸器センターなどへ紹介する場合

悪性が疑われる、結節が増大する、診断のために組織や細胞を調べる必要がある場合などです。専門施設では気管支鏡、CTガイド下生検、PET/CT、必要に応じた外科的評価などを検討します。

小さな結節は検査で十分な組織を取りにくいこともあり、侵襲のある検査の負担と得られる情報を比較します。PET/CTだけで良性・悪性が必ず分かるわけではなく、小さい病変や炎症では判定に限界があります。

経過観察は、受診を終えることではありません。次回の予定と受診を早める症状を確認し、必要な検査を継続します。すりガラス影を含む場合などは、長い期間での評価が必要になることがあります。すべての方に同じ間隔のCTを勧めるものではありません。

経過観察にも、目的と予定があります

肺結節が見つかっても、すべての方に同じ時期のCTや組織検査が必要なわけではありません。大きさ、形、濃さ、過去の画像との変化、喫煙歴やがんの既往などから、検査の必要性を検討します。経過観察を選ぶ場合は、次の撮影時期と、どのような変化で方針を見直すかを確認してください。

以前の健診の結果や画像があると、「新しくできた陰影か」「長く変わらないものか」の判断に役立ちます。別の医療機関で撮影した画像も共有できるか相談しましょう。血液の腫瘍マーカーが正常であることだけでは肺がんを否定できません。PETなどにも限界があり、検査を一つ行えば必ず確定するわけではありません。

CTの再検査は、得られる情報と被ばくなどの負担を踏まえて決めます。心配だからと短期間に繰り返すことも、無症状だから予定の検査を受けないことも避け、個別の予定を守りましょう。血痰や息切れ、体重の変化などがあれば、次の予約前でも相談してください。

受診時にお持ちいただきたいもの

  • 今回の健診結果・紹介状
  • 過去の胸部レントゲンやCTの画像データと結果
  • 現在の薬が分かるお薬手帳
  • 喫煙歴、がんや結核などの治療歴が分かる情報

過去の画像が手元になくても、受診を先延ばしにする必要はありません。検査を受けた施設や時期をお知らせください。妊娠中・妊娠の可能性がある方、造影剤で具合が悪くなったことがある方も、検査前にお伝えください。

よくある質問

たばこを吸わないので、心配ありませんか?

喫煙歴は判断材料の一つですが、吸わない方にも肺がんなどが見つかります。喫煙歴だけで精密検査を不要とは判断しません。

経過観察と言われたら、放置してよいですか?

決めた時期の検査で変化を確認することが大切です。不安が強い場合は、観察を選ぶ理由や次の判断基準を診察で確認しましょう。

紹介されたら、通院先はすべて変わりますか?

精密検査や治療を専門施設で行い、方針に応じて当院での経過観察を続ける場合もあります。紹介先の結果を共有し、役割を相談します。

Step by Step

診察・検査の流れ

  1. 01

    健診結果と背景を確認

    過去の画像、症状、喫煙歴、治療歴を整理します。

  2. 02

    胸部CT・専門医による評価

    放射線専門医と呼吸器専門医の評価を組み合わせます。

  3. 03

    方針を説明

    当院での観察か、呼吸器センターなどでの精密検査かを相談します。

  4. 04

    結果と経過を共有

    次回の検査時期を決め、紹介先の結果も継続診療につなげます。

このページの参考情報
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