Interstitial Lung Disease

間質性肺炎

肺のタイプを知り、治療を選ぶ。

乾いたせきや、動いたときの息切れが続く方へ。「間質性肺炎」は一つの病気の名前ではなく、原因や経過の異なる病気の集まりです。

呼吸器内科の受診案内

肺胞の壁に起こる変化を調べます。

肺には、酸素を血液へ渡す小さな袋「肺胞」がたくさんあります。間質性肺炎では、肺胞の壁や周囲の組織に炎症や損傷が起こります。一部では組織が厚く硬くなる「線維化」が進み、肺が広がりにくく、酸素を取り込みにくくなります。

感染による一般的な肺炎とは、主に変化が起こる場所や治療が異なります。また、すべての間質性肺炎が同じ速度で進むわけではありません。炎症が改善するタイプもあれば、線維化への治療が必要になるタイプもあります。

左は薄い肺胞の壁、右は空間を隔てる壁が厚くなった線維化の模式図。
通常の肺胞の壁薄い壁で空間が区切られる
線維化を伴う変化壁が厚く硬くなる
線維化を伴う場合の一例です。すべての間質性肺炎がこの状態になるわけではありません。 仕組みを簡略化したイメージ図です。

症状と、暮らし・仕事・薬の情報が手がかり。

階段や坂道での息切れ、痰の少ないせきが続くことがあります。初期には自覚症状が乏しく、健診の画像で気づく場合もあります。以前より休憩が増えた、歩ける距離が短くなったという変化もお知らせください。

原因には膠原病、薬剤、職業上の粉じん、生活環境の抗原などが関わる場合があります。詳しく調べても原因が分からないものを「特発性間質性肺炎」と呼び、その中に特発性肺線維症などの病型があります。

  • 処方薬・市販薬・漢方・サプリメントの使用歴
  • 鳥との接触、カビ、住まい・職場の環境
  • 手指や関節の症状、皮膚の変化、口や目の乾燥
  • 過去の胸部画像や検査結果

原因が疑わしくても、薬を自己判断でやめることは避けてください。使用時期と症状の関係を医師と整理します。

一つの検査だけで、病型は決まりません。

病気の種類を確かめることが、治療の出発点

間質性肺炎は一つの病気ではありません。特発性肺線維症、膠原病に伴う肺の病変、環境中の物質への反応、薬剤による肺障害などで、必要な対応が異なります。CTの見え方だけで決めず、症状の経過、薬、仕事や住環境、鳥やカビとの接触、関節や皮膚の症状などを確認します。必要に応じて専門医療機関と連携し、複数の情報を合わせて診断します。

採血のKL-6などは診療の手がかりですが、その数値だけで病気の種類や進行を判断しません。肺活量などの呼吸機能、酸素の状態、歩いたときの息切れ、画像を経時的に比較します。検査結果が一つ改善したからといって、自己判断で治療を中止することは避けてください。

胸部CT・画像の比較

変化が起きている場所や形、線維化の所見を確認します。以前の画像と比べることも、経過を判断する手がかりです。

呼吸機能・酸素の状態

肺の広がりやすさ、必要に応じて酸素を渡す能力、歩行時の酸素の変化などを評価します。実施する検査は状態と施設に応じて選びます。

血液検査・専門的な評価

膠原病との関連や病気の活動性を考える情報を集めます。KL-6などの数値だけで確定診断はしません。

気管支鏡や肺の組織を調べる検査が必要になる場合もあります。全員に行う検査ではなく、得られる情報と負担を考えて専門施設へ相談します。診察、画像、必要な検査を合わせて病型を判断します。

炎症への治療と、線維化への治療。

炎症と線維化で、薬の役割が異なります

炎症を抑える治療が必要な病型では、ステロイドや免疫を調整する薬などを検討します。一方、特発性肺線維症などでは、抗線維化薬を使って肺機能低下の進行を抑える治療が検討されます。薬で既にできた線維化がすべて元に戻るわけではありません。すべての間質性肺炎に同じ薬が適するわけでもなく、病型と進行、合併症に合わせた選択が重要です。

薬を使う場合は、感染、肝機能の変化、胃腸症状などを含めて定期的に確認します。妊娠を希望する方や他院の治療を受けている方は、治療前に伝えてください。市販薬やサプリメントも含め、新しい薬を始めた時期は診断の情報になります。

治療は原因や病型、進行の状況によって異なります。膠原病に伴うものなどでは、炎症を抑える薬を検討します。一方、特発性肺線維症や一部の進行する線維化では、適応を確認して抗線維化薬を検討します。すべての方に同じ薬を使うわけではありません。

抗線維化薬は、硬くなった肺を元通りにする薬ではなく、進行を遅らせることを目指す治療です。効果だけでなく副作用や持病、服用の続けやすさも確認します。酸素不足には酸素療法、体力や日常動作には呼吸リハビリなどを組み合わせます。

当院では呼吸器の診療を行い、膠原病に関連する場合の連携や、必要な専門施設への紹介を含めて相談します。長期的な経過を確認し、ご本人の生活に合う療養を考えます。

普段の状態を記録して、変化に気づく。

生活を支える治療

禁煙、必要な予防接種の相談、体力に合う運動、栄養、酸素療法なども生活を支える治療です。酸素の流量や薬を自分で変更せず、どの活動で困るかを共有し、生活に合う方法を考えます。

歩ける距離、階段での休憩、せきの程度など、同じ場面での変化を振り返ると役立ちます。定期的な検査の間隔は、病型や治療内容に応じて決めます。

禁煙、感染予防、体調に合わせた活動や栄養の調整も大切です。酸素療法を行う方は、安静・運動・睡眠の場面ごとの指示を確認してください。酸素の数値だけで無理な運動を続けず、症状も合わせて判断します。

急に息苦しくなったときは、早めに連絡を。

よくある質問

「間質性肺炎」と「肺線維症」は同じですか?

重なる部分はありますが、同じ意味ではありません。間質性肺炎にはさまざまな病型があり、線維化の程度や進行は異なります。

ステロイドを使えばよくなりますか?

病型によって選ぶ治療が異なります。炎症を抑える治療が適する場合もあれば、別の治療が必要な場合もあります。自己判断で薬を増減しないでください。

人にうつる病気ですか?

間質性肺炎という診断そのものが、人から人へうつることを意味するわけではありません。ただし、感染症を併発する場合があり、発熱やせきの変化は確認が必要です。

Step by Step

診察・検査の流れ

  1. 01

    症状と背景を確認

    生活環境、仕事、薬、膠原病に関連する症状を伺います。

  2. 02

    病型を評価

    画像・呼吸機能・血液などの情報を合わせます。

  3. 03

    治療方針を相談

    必要に応じて専門施設と連携します。

  4. 04

    変化を追う

    症状・活動・検査の経過から方針を見直します。

このページの参考情報
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