Joint & immune care

関節リウマチ・膠原病

関節の腫れやこわばりを、そのままにしない。

  • 関節の痛みや朝のこわばりに注意
  • 血液検査だけでなく診察も大切
  • 早期から炎症を抑える治療を相談
リウマチ・膠原病内科の受診案内
関節リウマチ・膠原病の概念を表すイラスト
仕組みを簡略化したイメージ図

膠原病とは?

「膠原病」とは、関節や皮膚だけではなく、肺、腎臓、肝臓、心臓、脳、眼、耳、鼻など、いろいろな臓器に異常をおこす病気の総称です。「膠原病」のなかにはたくさんの病気があり、それぞれの病気が同時に起こることもあります。

例えば、関節リウマチとシェーグレン症候群、橋本病(慢性甲状腺炎)は合併しやすいことが知られています。膠原病に共通して起こりやすい症状には、発熱(不明熱)、全身倦怠感(だるさ)、関節や筋肉の痛み、皮疹、レイノー症状(手や足のゆびの冷感)、しびれ、息切れ、咳、頭痛、胸痛、腹痛などがあります。また口内炎、難聴、手足の浮腫みや腫れ、脱毛、リンパ節腫脹、下痢や便秘、背中(首や腰)の痛み、ドライアイやドライマウスなどもあります。

膠原病患者さんのからだの中では、自分自身の臓器を構成する成分(細胞やたんぱく質など)を攻撃するリンパ球や抗体(=自己抗体)が作られてしまいます。そのため膠原病は自己免疫疾患のなかの一部ということもわかっていますが、根本的な原因は、残念ながらまだわかっていません。

関節リウマチも膠原病のなかの一つの病気ですが、日本での有病率が100〜150人に1人と患者さんの数が一番多いこと、治療方法が他の膠原病と異なること、などの理由から、「リウマチ・膠原病」や「関節リウマチ・膠原病」というように、多くの場合、関節リウマチだけが独立して記されています。

膠原病に似た発熱、関節痛、腹痛、皮疹などを繰り返す病気に、自己炎症性疾患があります。発作の間隔や症状は病気によって異なり、症状のない時期にも炎症が残ることがあります。経過と検査結果を合わせ、ほかの病気も含めて調べます。

関節リウマチ

1つ以上の関節が腫れたり、痛みが続いたりする病気です。手や足の全体のこわばりやだるさとして感じる患者さんもいます。昔は「リウマチでは関節が変形する」というイメージでしたが、近年の診断や治療の進歩によって、10年、20年と変形が起こらない患者さんが増えています。

もちろん、変形してしまった関節を修復するための治療(手術)もあります。できるだけ早く発見し、早く治療をしたほうが治療の効きがよく、変形も起こりにくいといわれています。血液検査だけではわかりにくい関節リウマチ(血清反応陰性関節リウマチ)もあるため、リウマチ専門医の診察と、診断の補助として関節エコーも有用です。気になる症状があれば放っておくのではなく、早めの受診をおすすめします。

原因

環境的な原因(タバコ、歯周病、腸内細菌など)と遺伝的な原因が複雑に絡んで、関節リウマチを発症します。

当院で行うことができる検査

関節の視診・触診、血液検査(リウマトイド因子、抗CCP(シトルリン化ペプチド)抗体)
関節超音波(関節エコー)検査、関節レントゲン検査、CT検査など。

治療

関節リウマチでは、関節の炎症と損傷を抑えるために抗リウマチ薬を使います。メトトレキサート(MTX)は中心的な薬の一つですが、持病や妊娠・授乳の状況などによっては使えません。服用は週単位で管理するため、決められた曜日・回数を必ず守り、毎日飲まないよう注意してください。

膠原病

シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、血管炎症候群(高安病、ANCA関連血管炎など)、若年性特発性関節炎(JIA)などがあります。

10〜20歳代で発症する病気、中年、高齢になってから発症しやすい病気、妊娠中や産後に悪くなりやすい病気など、病気によって特徴があります。関節痛や筋肉痛を起こすことも多く、関節リウマチと間違えやすいこともあるので注意が必要です。

当院で行うことができる検査

血液検査(抗核抗体、自己抗体、補体など)、エコー検査(心臓、腹部、関節など)、画像検査(レントゲン、CT検査など)。

治療

膠原病患者さんのからだの中では、本来は自分を守るために細菌やウイルス、腫瘍という自己以外の異物を攻撃する免疫系が異常に働いている状態であり、過剰に働いている免疫を沈めることが治療の中心となります。もちろん病気の活動性によっても異なりますが、ステロイドや免疫抑制剤を使うこともあります。

ステロイドは病気を抑え込むには効きが早くていいお薬なのですが、長期間使うと合併症が出やすいため、病気の種類によって免疫調整薬や免疫抑制薬、生物学的製剤などを組み合わせて、ステロイドをできるだけ早く減らすことができるように治療を行います。

自己炎症性疾患

自己炎症性疾患では、発熱や胸痛、腹痛、関節痛などを繰り返すことがあります。発作の長さや間隔はさまざまです。炎症が長く続くと、アミロイドという物質が腎臓などに沈着し、臓器の機能に影響する場合があります。

子供さんにも起こる病気ですが、大人では10〜30歳代での発症が多く、月経(生理)と関連して発作が起こる人もいます。家族性地中海熱(FMF)、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)などの病気があり、それぞれの病気によって特徴的な発作(熱の出方や症状)が出ます。

当院で行うことができる検査

血液検査(補体価、アミロイドA蛋白、遺伝子検査(信州大学、久留米大学、かずさ研究所などに依頼)など)、画像検査(レントゲン、CT検査など)。

治療

家族性地中海熱では、発作やアミロイドーシスを防ぐためにコルヒチンを使用します。コルヒチンは尿酸値を下げる薬ではありません。効果や副作用を確認し、十分な効果が得られない場合などには、専門医がほかの治療を検討します。

リウマチ・膠原病合併妊娠

関節リウマチ、膠原病などをもつ患者さんのなかには、幼少期から、また若年で発症する患者さんもいらっしゃいます。病気があったら結婚や妊娠ができないのではないか、妊娠中に悪くならないかが心配、薬をのんでいたら赤ちゃんに影響するのでは…などたくさんの疑問や不安があると思います。妊娠ができることの前提として、「病気が安定すること」が大切です。病気が不安定なときに妊娠してしまうと赤ちゃんにもお母さんにも大きな負担がかかります。そのためには「妊娠に向けての治療計画」や「家族計画」をたてる必要があります。いつに子供が何人ほしいか、子供は今考えていないから避妊をする、など計画を立てていきます。

母性内科外来では、膠原病などの内科的疾患を合併した若い患者さんの結婚から妊娠、出産、育児までをサポートしています。患者さんがどうしたいか、そのためにはどうしたらいいか、を一緒に考えます。また産婦人科の先生や近隣の先生(内科や整形外科の主治医の先生)と連携し、治療を行っています。不妊・不育などの原因として膠原病などの内科的疾患が合併していることもあり、膠原病といわれたことがなくても、妊娠や授乳中のお薬のこと、何かしら妊娠に関して将来の不安があるなど、気軽に受診してもらえればと思います。

参考情報
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