Strength for life

サルコペニア外来のご案内

筋肉の衰えに気づいたら、早めのケアを。

「最近、椅子から立ち上がりにくい」「歩くのが遅くなった」「重い荷物を持ちにくい」。そんな変化は、筋肉の衰えのサインかもしれません。当院では筋肉の量と力を調べ、運動と食事の両面から、毎日の動きやすさを支えます。

  • 握力や歩く速さなども評価
  • 筋肉量を測定し、全体で判断
  • 運動と栄養を一緒に整える
内科の受診案内
スタッフに見守られながらマシンで足の運動をするイメージ
イメージ写真

サルコペニアとは?

サルコペニアは、筋肉の量が減り、筋力も低下した状態です。年齢を重ねることに加え、運動不足、食事量の減少、病気なども関係します。

体重が変わらなくても筋肉が減っていることがあるため、体重だけでは判断できません。「年のせい」と決めつけず、気になる変化があればご相談ください。

入院や手術のあと、外出や食事が減ったときにも、筋肉や毎日の動きを確認します。急な体重減少、食欲低下、むくみがあるときは、その原因も調べます。

どうやって調べるの?

  1. ① 筋肉の量を調べます

    InBodyで体の成分を測定し、骨格筋指数(SMI)で筋肉量を評価します。SMIは、両腕・両脚の筋肉量を、身長に合わせて計算した数値です。

  2. ② 筋肉の力を調べます

    握力計で、手を握る力を測ります。筋肉の量と握力の両方が低下しているかを確認して診断します。InBodyの数値だけで診断するわけではありません。

  3. ③ 毎日の動きも確認します

    歩く速さや椅子からの立ち上がりを確認し、生活で困っていることやリハビリの効果を評価します。

むくみや脱水で測定値が変わることがあります。経過を見るときは、できるだけ測定の条件をそろえます。使用している医療機器や測定前の注意事項は、スタッフにご確認ください。

診断に用いる数値の目安

AWGS2025では、筋肉の量と力の両方を確認して診断します。低握力だけでも相談や対策のきっかけになりますが、確定診断とは区別します。[1]

表は横にスクロールできます。

AWGS2025の年齢別基準
項目65歳以上男性65歳以上女性50~64歳男性50~64歳女性
握力の低下28kg未満18kg未満34kg未満20kg未満
BIAの低筋肉量(骨格筋指数:SMI)7.0kg/m²未満5.7kg/m²未満7.6kg/m²未満5.7kg/m²未満

筋肉量の基準に使うのは、四肢骨格筋量(両腕・両脚の筋肉量)を身長で補正した数値です。

骨格筋指数(SMI)=両腕・両脚の骨格筋量(kg)÷身長(m)の2乗です。InBodyで測定する全身の総筋肉量kgや別の指数へ、そのまま当てはめません。

5回立ち上がりテスト

椅子に座った姿勢から、原則として腕で支えず立ち上がる動作を5回行い、所要時間を測ります。AWGS2019では12秒以上が身体機能低下の目安です。[2] 最新AWGS2025では65歳以上12秒以上、50~64歳10秒以上を機能評価の目安とし、単独の診断条件にはしません。[1] 痛みや転倒の不安がある方は無理に自宅で試さず、医療者に相談してください。できない場合も重要な情報です。

ふくらはぎの太さで気づく

ふくらはぎの最も太い部分の周囲をメジャーで測ります。男性34cm未満、女性33cm未満は詳しい評価を考えるスクリーニングの目安です。[2] 細いだけでサルコペニアと診断するものではありません。むくみや脂肪、体格も影響するため、太さが保たれていても筋力低下があれば相談しましょう。

こんな変化があればご相談ください

  • 椅子から立つ、階段を上るなどの動作がつらくなった
  • 歩くのが遅くなった、転びやすくなった
  • 体重は変わらないのに、筋肉が減ったように感じる
  • 持病があり、筋力や体力の低下が気になる
  • 一人での生活や外出に不安がある

筋肉の衰えが暮らしに与える影響

筋力が低下すると、立つ、歩く、買い物に出るなどの動作が難しくなることがあります。転倒や骨折との関連も報告されています。[3] 動くことが不安になり、活動が減ると、さらに体力が落ちることがあります。

持病の状態や、外出・人との交流の変化も一緒に確認します。サルコペニアと認知機能の低下には関連が報告されていますが、筋肉量だけが認知症の原因という意味ではありません。

サルコペニアは死亡などの不良な健康転帰とも関連しますが、必ずそうなるという意味ではありません。入院や施設入所との関連については、現時点では十分に確定した証拠が得られていません。[3]

転倒、歩く速さ、体重や食事の変化を早めに相談し、持病の管理、運動、食事、生活環境を見直します。

当院の診療の流れ

STEP01

筋肉の量と力、生活の動きを確認

InBodyと握力の測定に加え、歩く様子や病歴、食事の状況を伺います。

STEP02

持病や転倒のリスクを確認

持病の状態や転倒しやすさを確認し、必要な治療や対策を考えます。

STEP03

必要な支援につなぎます

必要に応じて介護認定の手続きをサポートし、ケアプランセンターかけはしと連携して、生活に合うケアプランを考えます。

STEP04

デイケアでのリハビリを相談

院内のリハビリテーションルーム

デイケアはばたきでのリハビリにつなぎます。利用条件を確認し、ご本人の状態や生活に合う支援を相談します。

STEP05

電話予約制

診察を希望される方は、必ずお電話にてご予約ください。

運動と食事で、動きやすい体づくり

筋肉の状態に合わせた運動と、必要な栄養をとることが大切です。デイケア「はばたき」では、理学療法士が体調や動きを確認し、バイオサーキットなどの機器も活用して、一人ひとりに合った運動を支援します。

バイオサーキットは、複数のマシンを使い、その方に合う負荷で体を動かすトレーニングシステムです。「立つ」「歩く」といった日常の動作を保ち、改善を目指します。

食事は、たんぱく質だけでなく、食事全体の量とバランスも大切です。持病や食欲に合わせて管理栄養士と相談します。腎臓の病気などで食事制限がある方は、自己判断でたんぱく質を増やさずご相談ください。

安全に、続けやすい方法で

転倒の不安や痛みがある方は、無理に自己流で運動せず、専門職に姿勢や支え方を確認しましょう。胸の痛み、強い息切れ、めまいが出たときは中断します。持病や手術後の制限に合わせ、運動の種類と強さを調整します。

食べにくさ、むせ、歯や入れ歯の不具合、食事を用意する負担もご相談ください。サプリメントだけに頼らず、持病と食事全体を踏まえて考えます。

転倒には、視力やふらつき、履物、薬、家の段差なども関係します。照明や手すりなどの住環境も見直します。筋肉だけでなく、気持ちや人とのつながりも含め、ご本人が続けられる支援を考えます。サルコペニアとフレイルは重なることがありますが、同じ意味ではありません。

デイケアはばたきの利用案内をご確認ください。利用条件や支援の内容は、状態に合わせて相談します。

参考情報
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