COPD

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

息切れを、年齢だけのせいにしない。

階段で立ち止まる、せきや痰が続く。以前よりできることが減ってきたときは、肺の空気の流れを調べてみましょう。

呼吸器内科の受診案内

空気を「吐き出しにくい」病気です。

COPDは、たばこの煙などの有害な物質を長く吸い込むことなどにより、気道や肺胞に変化が生じる病気です。空気の通り道が狭くなることに加え、肺胞の壁が壊れる「肺気腫」の変化が重なることがあります。吐き切れない空気が肺に残り、動いたときに息苦しさを感じやすくなります。

変化はゆっくり進むため、歩く速さを落としたり、階段を避けたりして、本人も気づきにくいことがあります。現在は吸っていなくても、過去の喫煙歴は大切な情報です。喫煙歴だけで診断するわけではなく、仕事での粉じんなども確認します。

左は薄い壁で区切られた多数の肺胞、右は一部の壁が失われ大きな空間になった肺気腫の模式図。
通常の肺胞小さな空間を薄い壁が区切る
肺気腫の変化壁が失われ、空間が大きくなる
COPDのうち、肺気腫に関連する変化を表しています。気道の病変の程度は人によって異なります。 仕組みを簡略化したイメージ図です。

毎日の変化と、急な悪化を分けて考えます。

長く続くせき・痰、坂道や階段での息切れが主な症状です。「同年代の方より遅く歩く」「買い物の途中で休む」といった生活の変化もお伝えください。喘息、心不全、貧血などでも息切れは起こり、COPDと重なることもあります。

診断の基本は、息を吐く力の測定。

呼吸機能検査では、十分に息を吸ってから強く吐き、空気の量と速さを測ります。必要に応じて気管支を広げる薬を使った後の状態を確認します。検査の結果だけでなく、症状と曝露歴を合わせ、他の病気の影響も考えます。

肺の状態

胸部画像で肺気腫や別の病気を確認します。CTは必要性を判断して行い、画像だけでCOPDの診断が完結するわけではありません。

生活への影響

歩行や日常動作での息切れ、増悪の回数、食欲・体重の変化などを確認します。肺の数値が同じでも、困りごとは人によって異なります。

全身の状態

心臓の病気、骨粗鬆症、筋力や栄養の低下などにも目を向けます。必要な検査は症状や持病に応じて選びます。

治療を組み合わせ、できる活動を保ちます。

禁煙と刺激の回避

禁煙は治療の基本です。長く喫煙していた方も、今から取り組む意味があります。続けにくさや受動喫煙についてもご相談ください。

吸入薬

気管支を広げる薬を中心に、息切れや増悪を減らす治療を選びます。吸入ステロイドは、喘息の合併や増悪の経過などから必要な方に追加します。

息切れと増悪の両方を見ながら治療を調整

COPDでは、息切れを軽くして日常生活を保つことと、症状が急に悪くなる増悪を減らすことを目指します。肺機能検査の数値に加え、歩ける距離、階段での息切れ、咳や痰、前年の増悪や入院の回数を確認します。生活で困る動作を伝えることが、治療を調整する手がかりになります。

気管支を広げる長時間作用性の吸入薬には、抗コリン薬やβ2刺激薬があり、症状などに応じて一つまたは組み合わせて使用します。吸入ステロイドを含む薬はすべてのCOPDの方に必要なわけではありません。喘息の合併、増悪の経過、好酸球などを踏まえて利益とリスクを検討します。薬を増やす前に、吸入の手順と継続状況も確認します。

自分に合う吸入器を使う

吸入器によって、準備の方法や吸い込む速さが異なります。手の動きや吸う力、生活の時間帯に合う器具を選び、実際の操作を確認することが大切です。薬が出ている感覚だけでは、肺まで届いているか判断できません。受診時に吸入器を持参し、うまくできないところを相談しましょう。ステロイドを含む吸入薬では、説明に従った使用後のうがいなども必要です。

運動と栄養

息切れのために動かない期間が続くと、筋力が落ちてさらに動きにくくなります。呼吸リハビリや栄養の支援を、無理のない範囲で組み合わせます。

低酸素血症が続く方では、検査結果と適応を確認して在宅酸素療法を検討します。息切れがある方全員に必要な治療ではありません。吸入器の操作や、処方された治療を続けられているかも定期的に確認します。

増悪を防ぐために、普段からできること。

感染予防、処方どおりの吸入、体調に合った活動、食事を整えることを大切にします。予防接種は年齢や接種歴、持病に応じて相談しましょう。ワクチンであらゆる肺炎を防げるわけではありませんが、対象となる感染症への備えになります。

息苦しいときに使う薬や、どのような変化で連絡するかを、普段から主治医と決めておくと役立ちます。安静時だけでなく、入浴・着替え・歩行の場面で困っていることもお伝えください。活動の目標は、その方の生活に合わせて調整します。

悪化したときの連絡方法を決めておく

いつもより息切れが強い、痰が増える、色が変わる、発熱するといった変化は、増悪や感染の兆候です。強い呼吸困難、唇の色の異常、意識の変化がある場合は救急対応が必要です。頓用薬を使う条件や、連絡先、受診の目安を普段から確認してください。

呼吸リハビリテーションでは、運動だけでなく、息切れと付き合う方法、栄養、日常生活の工夫も扱います。苦しいからと活動を減らし続けると筋力が落ちるため、体調に合わせた活動を相談しましょう。禁煙と受動喫煙の回避は、治療中も重要です。体重減少がある方は、栄養面の支援も必要です。

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当院でのご相談

当院では、呼吸器の診療に加え、状態に応じた検査、吸入治療、在宅酸素療法、リハビリテーションや栄養の相談を行います。症状が急に悪化した場合や専門的な入院治療が必要な場合には、適切な医療機関と連携します。

受診時には、お薬手帳、吸入器、過去の検査結果があればお持ちください。喫煙した期間、以前より難しくなった動作、最近のかぜや入院についても伺います。

よくある質問

禁煙すれば、肺は元に戻りますか?

壊れた肺胞を完全に元に戻すことは困難ですが、禁煙はさらなる悪化を抑えるために重要です。症状を和らげ、活動を保つ治療と合わせて取り組みます。

喘息とは違う病気ですか?

どちらも息の通りにくさが関係しますが、症状の変動、病気の背景、治療の選び方が異なります。両方が重なる方もいるため、検査と経過から判断します。

酸素を使うと外出できなくなりますか?

必要な方は携帯用の酸素機器を使って外出できる場合があります。移動時間や流量、機器の持続時間を事前に確認し、主治医と計画します。

Step by Step

診察・検査の流れ

  1. 01

    困りごとを確認

    息切れ・痰・喫煙歴と生活の変化を伺います。

  2. 02

    肺と全身を評価

    呼吸機能を中心に、必要な検査を選びます。

  3. 03

    治療を組み合わせる

    禁煙、吸入、活動・栄養の支援を相談します。

  4. 04

    増悪を予防

    普段の状態と悪化時の連絡方法を確認します。

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